スライドを使うべきかどうか

昔から思っていたことで、この前他の人に少し話したので書いてみる。

まずエンジニアが参加する勉強会には以下の様な特徴がある。

  • 参加者は基本的に同業のエンジニア
    • 一定以上の共通の知識があることが期待されている
  • 説明は短時間(5分-1時間)であることが多い

エンジニアの勉強会にはこういった事情があるためにあくまでも発表の『補足』としてスライドを使用する事が多い。というのもスライドに載せられる文字数は限られているので、あくまでも説明の補足として図やキーワードなどを書いておくのが一般的だ。

しかしこれは初心者に教えるときは全く違う。初心者に教える場合は以下の様な特徴がある。

  • 参加者は初心者
    • 参加者に共通の知識はない
  • 説明は長時間・数回に分ける事が多い

初心者の場合は共通の知識や認識は存在しない。というよりも共通の認識を作るために教えているのだから当然だ。この場合は基本的に共通の知識があるとは思ってはいけない。そういった人に教える際はこれから話すことがほぼすべて書かれている教材を用意するのが望ましい。そして教える際はその教材に沿いながら補足の説明や教えられている側の不明点に答えるというやり方がよい。

その証拠に学校や予備校では文章や図が大量に載っている教科書を使って行う事が多い。教えることがうまいいわゆる名物予備校教師の場合は例外もありうるが、そういう人は板書が異常に丁寧だったり、説明が異常にうまかったりするので普通の人が真似をしてはいけない。

しかしスライドには大きなメリットがある。教える側の人間が自分の話したい話ができるので教える側の人間が自己満足を得やすいという点だ。しかしそれは教わる側のメリットにはならない。だからこそ初心者に教える際にはスライドを使うべきではないと私は考えている。

このことは自分の中では常識だったのだけど、あまり常識ではないみたいなので書いてみた。